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トピックス&ニュース
厚労省・全社協「地域共生社会フォーラム」に参加しました
~ともに生きる豊かな地域共生社会づくりのために~
アルスヴィータ(中野区弥生町)のメンバーは、2018年2月26日、霞が関の全社協・灘尾ホールにおいて開催された「地域共生社会フォーラム」に参加しました。このフォーラムは、厚生労働省と全国社会福祉協議会(全社協)が主催したもので、「地域共生社会の今後の展開に向けた課題やポイントを考えよう」という試みでした。
内容は、第一部は、自治体の地域共生社会の実践報告を紹介するプロモーションビデオ(PV)の視聴と審査・表彰、第二部は、「地域共生社会の実現に向けたシンポジウムでした。
▲第二部のシンポジウムのシンポジストたち(左から2番目:村木厚子元厚労省事務次官)
第1部の自治体PV審査は、全国で地域共生社会のモデル事業に取り組んでいる自治体から募集し、応募した11自治体のPVから第一次審査で5自治体に絞り、今回フォーラムに参加した279人の投票で最優秀作品を決めようというものです。選考対象の自治体は、江戸川区、豊中市、彦根市、たつの市、豊田市で、3分間という短いものでしたが、各地の実践がわかりやすく紹介されていました。
第2部のシンポジウムでは、コーディネーターを法政大学の湯浅誠教授(反貧困ネットワーク事務局長)がつとめ、シンポジストは、迫田朋子元NHKディレクター(上の写真の左端)、村木厚子元厚労省事務次官、コミュニティデザイナー山崎亮氏(上の写真の右から2人目)、厚労省生活困窮者自立支援室の本後健室長(上の写真の右端)の4名でした。
議論では、多くの人が地域共生に関われるように「入り口を広げる」ことの重要性が強調されました。
今回のフォーラム全体として、各地の取り組みは少しずつ進んでいますが、「地方共生社会」自体がまだまだはっきりとした姿や理念・取り組みの範囲を描けておらず、そこが今後の課題だと思います。
そこに「『我が事・丸ごと』地域共生社会」を進める国の本質的な問題があると感じました。地域のことを住民の自治で進めるので様々な有り様があるのは当然ですが、施策を提起する側が定義を示し、憲法25条に基づく社会保障体制の上での位置や役割を明確にするという本来の責任を放棄しているようにも聞こえます。 さらに、「地域共生社会」で、実際にどこまで福祉を担うのかも不透明だと感じました。江戸川や豊中は生活保護受給率も高く、貧困を抱える世帯は地域の中でも深刻な課題ではないかと推測されますが、貧困対策に関してはPRでもその後のシンポジウムでもあまり触れられず、この「地域共生社会」での取り組みは限界があるのではないかと感じられました。貧困対策などは、本来「生活保護」などを基本とした社会保障制度で充実させることが大事ではないでしょうか。
とはいえ地域の福祉を地域の住民が主体となって創るというコンセプトは大事になると思います。
今後もアルスヴィータは国が進める「『我が事・丸ごと』地域共生社会」を注視し、住民主体の地域共生社会づくりを研究、実践を支援していきます。
(報告者:藤谷惠三専務理事)
詳細はアルスヴィータのフェイスブックの同シンポ報告をご覧ください。
<お問合わせ先>
一般社団法人 地域医療・福祉研究所 電話・Fax:03-4283-4360
※本研究所は、地峨の健康・医療・福祉の問題を住民が主体的に解決するために、自冶体や協同組合などの敬策づくりと事業開発に資する調査・研究・実践の組織を支援する非営利型の社団法人です。略称:アルスヴィータ(ラテン語略称:ARSVITA)。