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トピックス&ニュース

アルスヴィータ「徳島:加茂谷地区第2回寄りあいワークショップ視察」報告-第2報

 アルスヴィータ(中野区弥生町)の研究員2名は、2019年6月に続いて7月27日に徳島県阿南市加茂谷地区(人口約2,000人)で開かれた「あわの農山漁村(ふるさと)魅力創生事業」の「第2回寄りあいワークショップ」に参加しました。

 アルスヴィータでは、まちづくりや地域再生の重要な手法として、情報工房代表山浦晴男先生が提唱されているの「寄りあいワークショプ」の研究をさせていただいています。寄りあいワークショップは、KJ法を活用した住民主体のまちづくり技法です。※

※詳しくは、千葉大学大学院看護学研究科山浦晴男特命教授(情報工房代表)のちくま新書『地域再生入門』をご覧ください。


▲持ち寄った写真を分析する様子


▲資源写真地図づくりの説明の様子

「第2回寄りあいワークショップ」で6月の検討課題を分析・図解

 今回のワークショップには、約60人の住民が参加しました。

 前回6月のワークショップで話し合った課題や問題意識を元に、参加者が写真を撮って持ち寄り、その分析と図解を行いました。この1ヶ月の間に各人がこの地区の特徴だと思うこと、資源だと思うこと、なんとかしたいと思うことなどを念頭に、一人25枚程度の写真を撮りました。ワークショップでは、6人程度のグループをつくり、自身が撮った写真の意味をメンバーに説明しながら似たようなテーマで分類します。そして分類したテーマ毎に象徴的な写真を1枚選び、「本家」とします。似たようなもので派生的なものを「分家」とし25~30枚程度に絞ってグルーピングします。

6月15日は、徳島県阿波市加茂谷地区の「寄りあいワークショップ」に参加しました。

 自分たちで分類し選んだ写真すべてに説明文をつけます。「〇〇神社」などの体言止めでなく、「〇〇神社地域の人の信仰が篤く、同時に観光資源となる可能性がある」など写真の意味を20〜40字程度の説明文とします。写真をグループ化したらその見出し分をつけます。同時にグループ同士の関係を考え、どう影響し合っているかを記号化しました。さらに関係し合っているグループをまとめて第2段階の見出しを作ると「写真地図」が完成です。

 今回はここまでの作業でした。

アルスヴィータ研究員の感想と考察

 「資源写真地図」づくりの良さの第1は、地域にあるものを認識することから始めることができる点です。写真ですから基本的に「無いもの」は写りません。そこで自然と「地域にあるものの良さの発見」ができます。次に素晴らしい点は、「写真分析」や説明文作成の過程で、地域の人が様々な視点を持っている事をお互いに確認できる事です。地域の人が当たり前だと思っていたことが、他の地区の人や移住者から見たら素晴らしいと映っていたことなど新しい発見がたくさんあります。さらに、グルーピングの作業で、長所と課題、活かしたいこと、改善すべきことが複雑に絡み合っている事が明らかになることが挙げられます。

 普段深く考える機会のない資源の関連性が図式化され、可視化されます。

 次回は、8月に「資源写真地図」に基づいてそれぞれの参加者が資源を活かすためのアイデアをイラストにして持ち寄り、「アイデア出し」をする予定です。

 アルスヴィータでは、今年10月から沖縄県竹富町で行う予定の「ゆいまーるワークショップ」に、今回の視察の成果を生かし、住民参画の福祉の形成に役立てます。

<お問合わせ先>

一般社団法人 地域医療・福祉研究所 電話・Fax:03-4283-4360

〒164-0013 東京都中野区弥生町1-54-17-101

※本研究所は、地峨の健康・医療・福祉の問題を住民が主体的に解決するために、自冶体や協同組合などの敬策づくりと事業開発に資する調査・研究・実践の組織を支援する非営利型の社団法人です。略称:アルスヴィータ(ラテン語略称:ARSVITA)。