研究所の案内
設立趣意書
地域医療・福祉研究所 設立趣意書
2015年6月20日
いま私たちは、世界的な規模で激動の時代に生きています。新自由主義経済政策を掲げる先進諸国の政策が多くの矛盾を生み出し、地域間格差や貧富の差を拡大し、不況をくりかえし、失業や労働状況の悪化を招いています。また、ひきつづき戦争や平和の危機が存在し、地球環境の破壊や民族間の対立もなお深刻です。
一方、こうした危機を打開しようとする人々の努力も大きく広がっています。その一つに協同組合運動があり、国連は、「持続可能な開発、貧困の根絶、都市と農村地域における様々な経済部門の生計に貢献することのできる企業体・社会的事業体としての協同組合の成長を促進」(2012年国際協同組合年)すると宣言しました。
我が国においては、人類未踏の超高齢社会の到来と、同時進行する少子化、人口減少の中で地域とくらし、いのちと健康をどう守るのかが喫緊の課題となっています。政府は、その対応策として税や社会保障など多くの分野で矢継ぎ早に制度の改定に着手しています。これらの制度改定によって私たちの地域やくらしのしくみ、医療や介護が大きく変化することは必至です。
このような情勢の中、生活のあらゆる分野で住民が主体的に地域とくらしをまもる新たなしくみの創造が求められています。
とりわけ、自らの健康と地域福祉の増進を図るために、必要な保健・医療・福祉ケアを主体的に確保することが課題となります。
私たちは、これらの問題を地域住民とともに解決するために非営利型の一般社団法人地域医療・福祉研究所を設立します。
この研究所の目的は、広く地方自治政策、地域活動、協同組合運動、医療・介護事業に関心を有する経済・社会・政治・法律・文化・自然科学にかかわる研究者と実践家を結集し、今日の保健・医療・福祉に関する諸問題の調査・研究を行い、その成果を普及し、地域での実践を組織、支援することです。
とりわけ、地域社会の保健・医療・福祉の確保について、理論と実践を統一した調査・研究活動を行い、地方公共団体や協同組合、医療法人、社会福祉法人、NPO法人など非営利組織を中心に、その政策と事業に資する活動をすすめ、同時にその担い手の確保と育成の支援を重視します。
以上